「違うんだよねー、なんか違う」
「もっとこうキラキラした感じで・・」
「修正してくれたやつだけど、やっぱ違う気がするだよね。しっくり来ない」
じっと我慢して聞いているけど、ちょっと待てよ。ちょっといい加減にしろよ。ちょっと、本当に、本当に・・・。とぶちきれそうな気持ちを抑えながら、打ち合わせの席につく。嫌な電話をとる。
デザイナーなら誰しも経験したことのあるシュチュエーション。腹のなかではお前がいったのをつくったんだよ、お前のセンスが狂ってるんだよ。と毒づいてみてもとてもそんなこといえない。結局また修正依頼。修正依頼。でも着々と納品日は近づいている。なんともいえない気分で終電まで必死に修正。
で、翌日。メールをみると「いや、やっぱり違う。なんというか◉◉さんのセンスって、あれですよね・・。とういか全体的に違う」的なメール。もはやここまで来て引き戻せない段階の話をぶり返しはじめる・・・。
はい。深呼吸。
はい、辞めたい。
その気持ちすごくわかります。人格も仕事能力も、センスも否定され本当に気が狂いそう。
そんなあなたに今日のコラムはいかにしてクライアントからの修正依頼を少なくするか。どのようにしてあなたの時間を守るのか。とくにフリーランスの方や、将来的にフリーランスになりたいという方には非常に重要なことです。
なぜなら会社員とちがって時間はあなたの給与そのものなので。
もちろんこれは一つの答えがないクリエイティブ畑の人なら誰しも経験していることなので「修正依頼」というタイトルのメールに悩んでいる方の多くに役立つ内容です。
すごくシンプルですが、非常に有効なのでぜひ取り入れてみてください。
修正、変更依頼の多くはプロセスのすり合わせができていないことを大きな原因。クライアントに簡単に修正できないような仕組みをつくることが一番大事。https://t.co/Qsi6Lz4aO0#デザイナー #残業撲滅
— Yutaka Ando (@AndoGlobal) 2018年9月13日
1.プロセスを理解させる。
最初にやることは、これは案外やっているようでやっていない人も多い「プロセスを理解してもう」ということです。もちろん何度も仕事をしているクライアントは別ですが、ひとくちにデザイナーといっても会社や個々人によってプロセスがちがっています。それと担当者がいきなりかわったり、まったくデザインに対して知見がない人の場合ははっきりいってどのようにデザインが仕上がっていくのかというのを理解していません。
建物などの形が見えるものは、なんとなくクライアントにも図面ができて、基礎工事がはじまって、と理解できるものですがデザインなどの抽象的なものは正直その業界に携わっていない人はどのようにデザインが仕上がっていくのかわからないのが普通です。
ですからまずオリエンの段階であなたのプロセスは書面にして説明しましょう。繰り返しますが、デザイナーだけでなくクリエイティブに関わるほとんどの人が大枠は似ていてもオリジナルのプロセスをもっているものです。ですので同じ業界の人でもかならずはじめにこの「プロセスを説明する」というプロセスの説明が必要になります。
これを説明しておくだけで、クライアントもいまどの段階にあるのか、いまさらどこを直せないのか、ということがわかるようになります。またどの段階でどのくらい時間を要するのかということも伝えておきましょう。
たとえばですが、ロゴ制作の場合
2.コンセプトの打ち合わせ/2時間
3.イメージのポジショニングマップのすり合わせ/2時間
4.ラフデザイン 4案 /1週間
5.ラフを2案まで絞り込んでもらう。/3日
などなど。
このプロセスマップは一度つくってしまえば、いつでも使えるので非常に便利ですのでぜひためしてください。
ほとんどのクライアントはデザインがどのように形になっていくのかをしらない。もちろん人によってプロセスがことなるのもあるし、まずはじめに自分のプロセスを説明しておこう。それだけで劇的に修正がへる。https://t.co/Qsi6Lz4aO0#デザイナー #残業撲滅
— Yutaka Ando (@AndoGlobal) 2018年9月13日
2.プロセスごとに戻れなくする。
先にプロセスの説明が終われば、プロセスのどの段階まで進むとそれから先はあとには戻れませんという旨を説明しておきましょう。なぜなら土台が崩れてしまうと、もういちど一から作り直すことになる単純に作業時間=人件費がかかり最初の見積もりとは違うものになるからです。これはじつは無茶な変更が減るだけでなく、クライアントが場面場面で真剣に考えてくれるというメリットもあります。
正直、クライアントはなんとなく出来上がったときにまた修正したらいいや、くらいで考えている人も多く、引き返せないことをつげておくだけで、気持ちを引き締めてくれるのでこの方法はおすすめです。
もしどうしても戻る必要があるなら、それはまた見積もりとは違ってくることも伝えておきましょう。たとえばですが、
1.オリエンテーション /2時間
2.コンセプトの打ち合わせ/2時間
3.イメージのポジショニングマップのすり合わせ/2時間
4.ラフデザイン 4案 /1週間
⇨Step2に進んだ場合、Step1の段階を修正する場合見積もりが変更する場合がございます。STEP2
5.ラフを2案まで絞り込んでもらう。/3日
など記載し、その旨をきちんと説明しておきましょう。
3.デポジットをもらう。
デポジットをもらうことをためらってはいけない。プロなのだから当然。クリエイターにとって成果物でお金をいただくことも重要だけど、時間=金でもある。そこをきちんと認識させるべき。https://t.co/Qsi6Lz4aO0#デザイナー #タイムイズマネー
— Yutaka Ando (@AndoGlobal) 2018年9月13日
この方法は海外では一般的ですが、日本ではあまりやっている人をみかけません。最初にいくらかもらうデポジット、またたとえばラフが終わった段階でもらう金額を決めておくことをおすすめします。代理店経由の仕事で入金はいつになると代理店側の都合で決められない場合もありますが、ほとんどのクライアントはこれに応じてくれます。
クリエイティブワークの場合、だいたいが納品後の次の月末、代理店が挟むと2ヶ月先などざらです。もちろんキャッシュフローがよくなるという点もありますが、先に述べたようにクライアント側もプロセスごとに真剣に取り組んでくれるというメリットもあります。
1.オリエンテーション /2時間
2.コンセプトの打ち合わせ/2時間
3.イメージのポジショニングマップのすり合わせ/2時間
4.ラフデザイン 4案 /1週間
⇨Step2に進んだ場合、Step1の段階を修正する場合見積もりが変更する場合がございます。
⇨Step1終了時に見積もり料金の30%のお支払いをお願いいたします。STEP2
5.ラフを2案まで絞り込んでもらう。/3日
プロセスをきちんとわけ、最初のステップが終われば30%程度を先に請求する旨を記載することをおすすめします。いままでと違うやり方に変えてクライアント嫌な気分にならないかな、と思う方もいると思いますがほとんどのクライアントが受け入れてくれるはずです。むしろプロとしてきちんとやっているという印象を受ける場合のほうが多いのが現実なので思い切って提案してみてください。
もしこれを提案してひどく揉めるようならば、仕事をしても必ずもめるクライアントなのでしっかり距離をおきましょう。いわゆる地雷クライアントを見分けるにもこの方法はおすすめです。
クリエイターはもっと生産性を意識する必要あり。
クライアントの文句をいうまえに、あなた自身がどのようにすれば2度とその間違いを犯さないか考えているだろうか?問題が起これば、本質的なところまでおりてやり方から見直す勇気が必要。https://t.co/Qsi6Lz4aO0#デザイナー #生産性 #残業撲滅
— Yutaka Ando (@AndoGlobal) 2018年9月13日
今日は簡単なTipsを紹介しましたが、これをとりいれるだけであなたの生産性が劇的に変化するはずです。修正、変更、修正、変更。もちろん意味のわからない地雷クライアントもいますが、ほとんどの場合、あなたの意識、能力でコントロールできる問題です。
人に変わってほしいと思う前に、すこしでもあなたが変われるように努力しましょう。応援しています!