「この職場でもうこれ以上はむり。病む」「うつ病かもしれない。どうしたらいいのだろう。いますぐ逃げ出したい」「うつ病になってしまって休職期間も長い。転職することはできるだろうか」
今日はそんな悩みに答えたいと思います。
ストレス社会の現代において特にストレスの多い職種であるエンジニア。調査によるとエンジニアの約2割がうつ状態にあると言われ、うつ病はエンジニアの職業病とすらいわれています。
転職活動は精神的に参ってきたと思ったときにはじめないと遅いよ。鬱っぽくなってから始めても、転職活動のプレッシャーに耐えられず悪化するだけ。仕事やめたい、と思った時は遅い。やめるかも、で動き始めよう。#仕事やめたい #仕事行きたくない
— Yutaka Ando@IT系クリエイターのためのキャリアビジョン (@AndoGlobal) October 11, 2019
何を隠そう私自身がエンジニア時代にうつ病になったことをきっかけに転職しました。いま思えばあのとき転職を決意したおかげでいまの自分があるので、本当にあの決断は正解でした。勇気を振り絞ったかいがありました。
けれど転職活動が最初からうまくいったわけではなく、むしろ転職活動を開始したことでうつの症状が悪化していきました。そのときの失敗があるので、皆さんにはおなじ過ちを犯してほしくないので、私の体験談をもとにこの記事を書くことにしました。
また現在はキャリアコンサルとしても活動しているので、転職のプロ目線からもアドバイスしてみたいと思います。
記事の内容:
- あなたの鬱度を把握しましょう。
- 鬱でも会社に行けている人への転職アドバイス
- 鬱で会社に行けなくなっている人への転職アドバイス
エンジニアのあなたはどのくらいの鬱?うつ度を自覚して対策を立てる。
結論からいうとうつ病と一言でいっても症状の重さによって転職活動はまったく異なります。あくまで目安として以下のチェックリストからあなたがどの程度のうつ症状なのか確認してください。
①軽度の鬱(うつ)
- 慢性的にストレスを抱えていらついている。情緒不安定な状態が続いている。
- 会社に行きたくないけど、行くことはできている。
- 仕事をしていてもまったく集中していない。無気力になり、何もしたくなくなる。
②重度の鬱(うつ)
- 会社にすらいけていない。
- うつ病で長い間無職状態になっている。
- うつ病から社会復帰できるか不安。
ざっくり二つにわけましたが、要は会社にいけている状態なのか、いけていない状態(休職期間が長い)のかで転職活動は大きく異なります。具体的に何をやるかは以下のとおりです。
①軽度の鬱(うつ)の場合は「転職エージェント」に相談する。
⇨1人ではなくエージェントと二人三脚で転職活動を今すぐはじめましょう。
②重度の鬱(うつ)は「専門的の支援サービス」を利用する。
⇨専門家に相談しながら、社会復帰を目指しましょう。
詳しく説明します。
鬱でも会社に行けてる人はいますぐ「転職エージェント」に登録すべし。
まだ軽度のうつ状態だし転職エージェントにいますぐ登録するのはちょっと・・と思っている方がいらっしゃたらあなたは相当危険です。「うつ」の本当の怖さを知らない方です。
なぜ「いますぐ」に転職活動をしなければならないのか?
これは私の体験談からも言えますが「うつだな」と思っているうちはまだいいです。症状が本当に重たくなるとこのページにすら辿り着けなくなります。検索する意欲すらなくなります。つまりいまこうして鬱を自覚している段階が「最後の転職活動のチャンス」なんです。言い方が悪いですが、あなたが次のこのページを見るのは長い治療が終わった3年後の可能性だってあるんです。
覚えておいてください。鬱が深刻かするとエージェントに登録するたった5分のことすらできなくなると。もちろん転職活動なんて夢のまた夢です。
なぜ転職サイトではなくて転職エージェントなのか?
これも大事なポイントなので説明しておきます。
転職活動というと新卒のときに利用したリクナビのような転職サイトを思い浮かべますが、はっきりいっていまのあなたにはおすすめしません。転職サイトはあくまで企業が求人情報を掲載して、そこから「自力」で転職活動をする方向けです。
キャリアコンサルをしているとはっきりわかりますが心身ともに健康な方でも「自力」で転職活動をおこなうと相当消耗します。基本的に転職は「選ばれる立場」「否定される立場」になるので、業務時間外に活動して忙しい上に「孤独」です。
つまり通常の状態であればまだし、いまのあなたが転職サイトを利用して自力で転職活動をするメリットなど何もないのです。じつは私が大きな失敗をした理由がこの過ちでした。
孤独な転職活動で症状をさらに悪化させた話【体験談】
私はエンジニア時代、性格的に仕事がまったくむかなかったことでミスばかりしていました。さらにパワハラ、モラハラ気味の上司だったため、ちょっとしたミスから人格否定の叱責が繰り返され、自信がなくなりまたミスを重ねて暴言を吐かれる毎日でした。
ある日気づくと、わたしはデスクを離れサーバールームで寝込んでいました。「もう限界だ」と思い、そのとき転職活動をはじめようと決意しました。その日のうちに会社のPCからリク●ビに登録したのを覚えています。帰宅後、必死に情報収集し、即日転職活動らしきことを開始しました。何社かに応募した結果、退社後に満身創痍の状態でいくつか面接にいきました。
しかしどこにも採用されることはありませんでした。転職活動でも自分自身を否定されているような気がして、ますます気持ちは落ち込みました。こんな自分を採用してくれるところなどないと思いました。いまでもはっきり覚えているのですが面接の帰り道、神楽坂の駅で階段が登れなくなり、その場で座り込んだつもりが階段を転げ落ちてしまったことです。駅員さんに声をかけられ帰りの電車になんとか乗り込みましたが、すぐに電車から降りてそのまま駅のベンチで泣きながら何時間も座っていました。
そんなボロボロな私をすくってくれたのがエージェントでした。親身に相談にのっていただき、それだけで泣きそうでした。なぜいままで頼らなかったのか自分が情けなくなるほどでした。転職活動を孤独に戦う理由はありません。助けてくれる人がいるなら一緒に戦いましょう。
転職エージェントを使っても、自力で転職活動をしても利用者には何の負担もない。
ちょっと感傷的になってしまいましたが、実利的な話をすると転職エージェントをつかっても転職サイトで自力で活動しても、どちらにしても利用者は「無料」です。転職のプロと二人三脚で転職活動をするか、自力でやるか。無料であればどちらが有利かは火を見るより明らかです。
ただ転職を考えたさい、まずは転職サイトの方が楽な気もしますが、実際はそんなことありません。まず相談のほうが楽です。それに公開されている求人にいい条件は少なく、良い条件の求人はすべて非公開です。つまりエージェントに登録しなければ見ることすらできないので、まずはエージェントに登録することをおすすめします。
鬱からの復帰を目指して転職する方は「専門的な支援サービス」を利用すべし。
本格的なうつ状態から復帰されるかたは転職エージェントもありですが、それでも不安な場合は社会復帰にむけて「専門的な支援サービス」を利用しましょう。正直、休職期間が数年以上になると企業も採用をかなり渋ります。ただし諦めてはだめです。
最近では社会的意義の高い(そしてニーズのある)うつ病から社会復帰を目指す方用の転職支援サービスがありますのでそちらがおすすめです。
キャリアカウンセラーも精神的な病の事情がわかる方が揃っていますので通常の転職エージェントでは不安な方は以下のサービスを利用されるのをおすすめします。
再就職支援サービス
うつ病から再就職、社会復帰を目指す方向け。
・仕事復帰を全力サポート | 就労移行支援のMelk
障害者手帳をお持ちの方向け。
・dodaチャレンジ (大手転職サービス DODA の障害者向け転職サービス)
【まとめ】鬱に気づいた今が転職のチャンス。しかし今やらない人は要注意。
最後の注告のようにもなってしまいますが、いっておきます。
いま鬱っぽい人はなるべく早くいますぐ今の職場から離れてください。転職の気がかわらないうちに行動にうつしてください。鬱の原因のほとんどが環境要因と言われています。いまのままで何かが変わることはありません。転職するというのは大きなエネルギーがいることなので躊躇することもよくわかります。
しかし、変えることです。いまこのページにたどり着いたのも偶然ではありません。何かの縁です。絶対にいますぐ行動してください。私はあなたにかつての私のようになって欲しくないからです。いま決断を先延ばしにすると、あなたの人生を何年も棒にふる可能性があります。私はサーバールームで泣いたあの日のことは一生忘れません。
厳しいことをいうようですが今日の判断であなたの人生が変わります。いまの苦しみから抜けて、次の職場でやりがいをもって働くあなたを想像してください。転職エージェントに登録する時間はたった5分です。しかしその5分であなたの人生を大きく変わります。
最後にキャリアカウンセラーの私がおすすめする転職エージェントを紹介しておきます。
おすすめの転職エージェント(私が実際に利用したエージェント)
おすすめのエージェントは実際にはかつて私が利用したエージェントを紹介します。キャリアカウンセラーになったいまでもプロの視点から登録しておけば間違いないエージェントです。ベターなようですが大手3社のうちのとくにDodaとTypegはおすすめです。ITに絞るならレバテックとマイナビも登録しておきましょう。
dodaは業界最大規模の案件数があり、しかもその80%が非公開求人となっています。非公開求人が多い=マッチングするのに本気なエージェントなのでまずは登録しておきましょう。
もう一社はこちらも3大エージェントの「Type」となります。キャリアカウンセラーによるフォローが手厚いのでTypeもおすすめです。
IT系であれば以下の2つ。IT業界での転職はこちらも登録しておきましょう。
>レバテックキャリア (ITといえばここ。IT・Web業界に特化した転職エージェント)
>マイナビエージェント (ご存知『マイナビ』がIT業界に特化したサービスです)
たくさん登録する必要はありませんが、上記にあげたエージェントは必ず登録してください。小さな一歩ですが、大きく人生がかわります。あなたの頑張りが認められる、あなたの輝かしい未来を応援しています。
それではまた!