「案件が派手に燃えてる。これって会社潰れるんじゃない?」「炎上プロジェクトに巻き込まれた。結構追い詰められてるんだけどどうしょう」

今日はこんなお悩みをもつエンジニアの方向けに記事を書いてみました。

記事の内容

  1. 炎上はなぜおきるのか
  2. 炎上が起きる予兆の嗅ぎ取りかた
  3. 炎上に巻き込まれときの正しい身の振り方

IT関連の仕事についていて一度も炎上案件に巻き込まれたことがない人というのは少ないと思います。大なり小なりみなさん経験があるはずです。

私自身、新卒で就職した会社でインフラエンジニアと働いていたとき、大規模な炎上案件(というかずっと炎上している職場だった)があり、それで体調を崩して退職しました。あれは私のなかでも結構な黒歴史だったのですが、いまこうしてキャリアコンサルと働きたくさんの人の相談を受けていると、正直私のケースは「珍しくない」というのが率直な意見です。正直、退職してから数年は「恥ずかしい」とおもっていましたが、どこでにでもある事例(よくない言い方ですね)だと理解しています。

今回の記事では私の経験とキャリアコンサルとしての経験から、炎上がなぜ起こるのか、炎上の巻き込まれたときのエンジニアの正しい身の振り方についてお話ししてみたいと思います。

なぜプロジェクトは燃えるのか?炎上プロジェクト経験者100人に聞きました。

コンサルとしていままでIT関連で転職したい人に最低でも三百人は会ってきましたが、多くの方が炎上プロジェクトを経験されています。転職の原因も直接ではないケースがあれど、そういった案件による影響は少なからずあります。

そういった経験をヒアリングし続けた結果、なぜプロジェクトが燃えるのか、という理由について私なりに結論づけました。

「炎上プロジェクトの原因はプロマネが9割」

です。異論は認めません。もう90%どころか、ほぼ100%です。

理由を説明します。

 

無能なPMがプロジェクト炎上から職場崩壊を引き起こす基本的な構造


オーラだけできそうな奴ほど気をつけろ。

プロジェクトが炎上する原因は、そもそもプロジェクトをコントロールできない責任者の責任です。まったくミスのないプロジェクトなどありえません。

ITの現場は常に改善していくことで納品に近づいていくもので、ミスをした人(放火犯?)が誰であれ、その人をアサインさせたのミスを修復することも、クライアントがだだをこねるのも、PMはすべて折り込み済みで動く必要があります。

はっきりいってしまうと、プロジェクトという「船」にのって働いている人からすれば「船長(PM)」が無能だといくら下っ端がオールを漕いでも無意味です。そしてITの現場では残念ながら、マネージャー向きでない人が管理職についてしまう傾向が他の職種より多いのが実態です。そういう人がどのようにして職場崩壊を引き起こすのか。

 

1、ミスや予定外のことがおきる。
2、スケジュールがかわる。
3、テンパる。残業が増える。
4、不機嫌になって、部下をつめる。
5、部下を追い込む。作業効率が落ちる。
6、みんな帰れない。作業効率が落ちる。
7、誰か飛ぶ。作業効率が落ちる。8-A、火消し屋が現れる
⇨めでたく鎮火。おめでとう!また炎上するチャンスをゲットしました。8-B、火消し屋が現れない
⇨プロジェクトや会社が炭となる。

 

そんなことを繰り返しているので、だいたいこういう職場の離職率は高く経験値の低い人が出世してしまうので上に無能は人が溜まっていく形となり炎上体質の会社ができあがっていきます

そういう会社の幹部は笑笑などで「プロジェクトは炎上してからだよ」と男気をだしながらタバコをくゆらせ語る傾向にあります。注意してください。

なぜITの現場で炎上プロジェクトマネージャーが生まれやすいのか。

結論をいうと、エキスパートになるべき人がマネージャーになっているからです。基本的にITの現場では技術が高い人が「えらい人」になりやすいので、ちゃんとした昇進制度がある会社では「エキスパート」になる人が、ついついマネージャー職についたりすることが多いのです。だいたいエンジニアとしてスキルが高い人は、マネージメントが不得意な人が多い。

けれど社内の都合だったり、PMになると給与もあがるという理由で「エンジニア気質バリバリ」の人がマネージャー職についてしまいます。それが悲劇に始まりです。そういう人の特徴を説明します。

 

1. プロジェクト管理の手法だけよく勉強している。

エンジニア気質の強いPMは、人をマネージメント&コーチングして最大成果をだすことより、プロジェクトをどのように管理するかの「手法」ばかり目がいきます。なのでシリコンバレーではやってる方法が大好きです。KPIなんて古い!OKRだなんだとすぐに言い始めます。横文字が大好きです。

プロジェクトの進捗管理の方法は大好きですが、自分の人間力をどのようにあげるのかという点には気を配りません

 

2. 人間も仕様書どおりに動くとおもっている。

タイトルどおりです。優秀なエンジニアあがりのマネージャーは自分がつくったプロジェクトどおりに人が動くとおもっています。我々はPHPでは動きません。なので自分が描いたシナリオどおり動かないとイライラします。無能のレッテルを貼ります。

私は新人時代、何の意味があるかまったくわからない数列の整理を目的も告げられずに3日間やらされたことがあります。何かの修行かな?と思ってとりくみましたが、次第に私の上司が恐ろしく指事が下手なだけということわかりました。

彼らは部下をロボットか何かだとおもっています。

3. 鎮火する能力だけはすごい。


一瞬かっこよくみえるけど騙されるな!主犯やぞ!

そういう人はプロジェクトを燃えるだけ燃えして、鎮火だけうまかったりします。職人としての火消しで能力を発揮して「俺はできるPM」と勘違いしています。だったら一生コードだけ書いてろと思いますが、PMという肩書きが好きなので降りたくないのも特徴です。

 

エンジニアはどのようにして炎上案件から身を守るべきなのか。

基本的には「危機管理能力」と「脱出方法の準備」のふたつが大事です。「危機管理能力」とは火種に敏感になること「脱出方法の準備」とはキャリアの選択肢を日頃から複数準備しておくことです。

1、危機管理能力 | 火種に敏感になりましょう。

以下が炎上案件が発生する(発生中)の予兆です。プロジェクト&会社と心中する覚悟がないなら、3つ当てはまったら脱出準備をはじめてください。

・スケジュールがころころ変わる。
・PMが不機嫌/顔色悪い。
・緊急の電話/ビデオ会議が多い。
・職場のタイプ音のボリュームがあがってる。
・プロマネから覇気がでてる。
・営業がぼんやり窓の外ばかりみてる。
・喫煙室が混む。
・炎上PMが異動する噂が流れている。
・仕様書がないことを知ってしまった。
・PMが漫喫にいくといって帰ってこなくなった。

2、脱出方法の準備 |キャリアの選択肢を複数用意しておくこと。

炎上案件に巻き込まれてしまった人に、私は一番伝えたいことは「一緒に燃え尽きない」で欲しいということです。案件とあなたの人生を別、ということを本当に心から伝えたい。

それはなぜか。

一番の理由は「メンタルがやられたら3年は仕事できない覚悟」が必要だからです。これは私が自身の経験もそうですし、カウンセラーとして多くの転職希望者にであって心から感じていることだからです。責任感の強い人ほど、優秀な人ほど注意してください。正直、それで潰れた人を何人もみてきました。

プロジェクトが崩壊し、会社がかたむく。そのときあなたのメンタルまで会社は面倒みることができません。最後までやりとげたい気持ちはわかりますが、会社と心中する覚悟がないなら、いつでもキャリアチェンジ(転職、フリーランス)できる準備を進めておくべきです。

 

まとめ:プロジェクトが燃え落ちても、あなたの人生まで燃え落とすな。

そういうことです。

案件とともに人生を棒にふってはいけません。。そうならないためにも絶賛炎上中の方は一刻も早く動いてください。参考記事として私の転職体験談を書いた記事を紹介しておきます。

参考記事:エンジニアが仕事をやめたいと思った時に読んでほしい話【私の転職体験談】

それではお元気で!

 

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