まだ自分にはスキルがない。同僚と比べても中の下でしかない。独立はしたいけれど、これではとてもやっていけない・・。自分より優秀な人はごまんといる。結局、いつまでたっても独立なんて遠い夢なのかもしれない・・。

 

フリーランスとして働きたいと思っているのに、自分のスキルに自身がもてなくてなかなか独立に踏み切れない人っていますよね。全部とは言いませんが、それ「はっきりいって勘違い」です。そんなふうに考えている人のほとんどが私からみればスキルだけであれば十分フリーランスとしてやっていけます。

実際にあなたが会社のなかでさほど優秀ではないかもしれません。でもあなたの優秀な同僚はあくまであなたの会社のなかで優秀なのであり、フリーランスとして優秀かどうかはまた別の話だなのです。

まず、大前提として話をします。信じられないかもしれませんが、顧客のほとんどはスキルの優劣について何も知らないのです

 

1. 95%の顧客はスキルについてほとんど何も知らない。

 

これ、冗談でいってるのではありませんよ。本当なんです。もちろん業界内や仕事仲間にあえば、その人のたちふるまいひとつで「できる」「できない」というのはわかってしまうものですが、それはあくまであなたがその業界にずっぽりと浸っているからにすぎません。毎日、毎日、その仕事をやっていて情報収集をして、比べられるレベルにあるからなんです

この話をするといまいち、まだ信じらないって顔をする人がいるのですが、そういう人に質問させてください。

「あなたは探偵のスキルについて知ってますか?初対面でスキルを判断できますか?」

「産婦人科の腕についてあなたはできる、できないと判断できますか?」

「盲腸手術の先生の腕がいい悪いをあなたはわかりますか?」

「左官職人の腕の優劣があなたにわかりますか?」

もっと、もっと身近な例でいいましょう。

「あなたは写真の良し悪しわかりますか?」

もちろん上記の職種での経験がある人ならわかるでしょう。しかし私は上記の質問すべて「わかりません」と答えます。だって本当にわからないのですから。

あなたはどのくらいわかりましたか?たぶんほとんどわからないと思います。顧客はバカなのでしょうか?違いますよね。べつに自分の興味ない業界のことなど知らないだけです(もちろん顧客も自分の業界についてはあなたの何倍もしっているはずです)。

とくにこの傾向は購入回数が少ないサービス/商品を販売しているほど強くなります。いや、そうはいっても自分のクライアントは業界が同じだからそうはいかないよ、と言う方もいるかもしれません。たしかにまったくの同じ職種であればスキルの良し悪しはわかってしまうでしょう。それでもあなたが思っているほどはわからないはずです。

あなたが同業者とミーティングをしていて「こいつ本当はあんまりわかってないな」と思ったことないですか。私はありますし、自分自身がわかってないと思ったこともなんどもあります。実際はよほどできる人以外、そんなものなんです。フロントエンジニアがサーバーエンジニアのスキルについて熟知しているでしょうか?建築士が左官職人の些細な技の違いまでわかるでしょうか?

もちろんフリーランスとして独立するには最低限のスキルは必要です。劣悪品を納品して顧客を「騙せ」といっているわけではありません、顧客が考える満足とあなたが考える満足が違うだけなのです。顧客は完璧にプログラムのコードの綺麗さを求めていません。締め切りを守り、しっかりと機能するサービス、アフターフォローの充実のほうを求めています。

 

2. スキルは顧客は求める能力の「ひとつ」でしかない。

 

そうです。スキルはたしかに重要ですが、フリーランスにとってはあなたが考えるほど優先順位の高いものではありません。安心してください・・と言いたいところですが、逆をいえば顧客にとって「ひとつ」でしかない、ということは求めることは「他にもある」ということです。

そしてそれがフリーランスにとってスキルよりよほど重要なものなのです。ぶっちゃけというとスキルは「あなたのスキルにあった顧客」を選べばいいだけのことです。

話を戻します。顧客にとって「スキル」とはあなたに仕事を頼む基準のひとつでしかありません。じゃ、何で判断してるのでしょう?顧客が一緒に仕事をする人が「できる」か「できないか」を判断するのはあなたの職種で必要とされるスキルではなく、社会人としてスキルです。なぜなら比較対象がそれしかないからです。社会人として「この人仕事できそうだな」というのは社会にでて数年もすればわかると思います。そういった一般的なところで判断されているのを忘れないようにしましょう。

では、具体的に社会人として仕事できそうかどうかどう判断するのか。もちろん人によって異なるところはいろいろありますが、納期を守る、レスポンスが早い、話を聞く、社会常識がある、コミュニケーション能力が高い、身だしなみがしっかりしているといった多くの人が当たり前と思っていて、ほとんどの人ができていないところをきっちりやることです。

 

3. それでもスキルが不安な方へ。

 

ここまで言っても、それでもやっぱりスキルがたりないと思う方もいらっしゃるでしょう。やっぱりただ不安なだけの方もいるかもしれませんし、まだ仕事をはじめたばかりで客観的にてやっぱり全然まだという方もいると思います。

 

そうはいっても不安という方へ

まず前者ににいえることはいますぐ「副業」をはじめてください。給料ではなく、あなたがゼロから1と稼ぐということをはやく経験してください。まずはじめの一歩を踏み出しください。まず自分で受注して、自分で納品までもっていく、そして通帳にお金が振り込まれる。まずはここまでをきちんとやってください。

あなたが一番やってはいけないことは「スキルに自信ができたから独立」するということです。それは一番怖い勘違いです。スキルがあるからフリーランスにやっていけるのではなく、仕事があるからフリーランスとしてやっていけるのです。もっというと、スキルがあるから仕事がくるのではなく、実績があるから仕事がくるんです。

矛盾しているようですが、起業当初は実績などないところがほとんどです。だから仕事がこないんです。逆にいえば起業をスムーズにするなら、実績を先に用意すればいいんです。そこが起業におけるプロとアマチュアの違いで、プロはお客様の声は買ってでも集めようとします。しかし起業で失敗する人はそこがわかってません。必死で自分を売り込みます。それではダメです。人に自分を売り込んでもらうシステムをつくるほうがよほど重要です。

あなたが初対面の人に100回自分にはスキルがあると自分でいっても、他人の評判一言のほうがよほどささります。

つまりあなたに必要なのはゼロから1とつくったという自信、そして実績です。ついでに副業で起業にむけて準備金を稼ぐ。さらにいうとそのほうがはるかにスキルの伸びが早いということに気付くでしょう。足りないスキルは生活がかかれば必死になって覚えます。

 

客観的にみてまだまだな方へ

 

本当にその仕事の方は基礎を早く覚えましょう。会社ではなかなか先に進まないと思ったら独学しましょう。そこで、基礎まで終えてしまえばあとはどうするか。そうです、その分野で副業をはじめてください。

初心者がそんなの無理だーと思わないでください。失敗しても給料がありますし、首が飛ぶこともありません。スキルアップとしてコツコツ勉強するより恐ろしく早くスキルが伸びます。なんせ金がかかってますからね。勉強に締め切りをもうけるつもりでどんどん受注しましょう。単価が安く、簡単なところからどんどんやりましょう。いまやってる勉強の「小テスト」をがんがんうけるイメージです。

そうすれば、スキルアップするは、お金はもらえるは、実績もできるは何も悪いことはありません。

 

副業=本格的にマーケットに自分を出す前に、テストする。

 

この感覚非常に大切です。たとえばお菓子でもジュースでも本格的な販売にいたるまでに何度も試作し、テスト販売だったします。WEBサービスだったそうです。まず試作品をつくり試しなながら高速でPDCAを繰り返します。

手に職系のフリーランスも同じです。まず、本格的にフリーランスとしてやっていくまえに副業から始めましょう。副業が禁止の会社?そんなふざけた会社は転職しましょう。もしくは既婚者であれば妻の名義で仕事をうければいいです。納税も妻名義で構いません。どうせ世帯所得は一緒です。扶養控除どうこうあるなら両親でも、友人でも構いませんし、もっといえば支払いを送らせてもらえば済む話です。支払いをあなたの独立希望日時にして、納品したあとも保証期間という名目でもつけて最終納品日をずらしてもらえば問題ないでしょう。「私への支払いを遅らせてください!できたら、独立後支払いにしてくだあい」といってクライアントに話を通せば、わかってくれるはずです。

スキルは実践で身につけてください。

 

私はフリーランスになりたての頃の話

 

10年前、いまのように仕事を受注できるサイトはSOHOくらいしかなかったと思います。今のように簡単に仕事が探せる状況ではありませんでした。しかも私はサーバー側のエンジニアだったので仕事もかなり限られています。

そんななかはじめてフリーランスとして受注した仕事はホームページの制作でした。顧客は知り合いの学習塾経営者で「エンジニアだからホームページもつくれるでしょ」といった感じで仕事を依頼してくれたのです。

もちろん当時ホームページなどつくったこともありません。でも生活がかかってますからす数ヶ月後にはきちんと納品しました。人間ってそういうもんです。プレッシャーのなかでは恐ろしいスピードで伸びます。会社にいたら数年かかるレベルに3ヶ月、半年でいきます。あたりまえです。生活かかってますから。

それから何件かサイト製作をした後、専門学校からWEB制作をまなんでいて社会人としても3年の経験がある友達にあいましたが、話していてスキルは私の方が上かもしれないと感じました。少なくとも個客を満足できるのは私だとは確信しました。

なぜなら私はスキルがなかったので、顧客が求めているものを把握してスキルを学んでいきました。しかし彼の場合、スキルを勉強していき、いまだに顧客が求めているものを把握できていないような感じがしたからです。